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幹細胞培養上清液とは?効果や注意点、種類ごとにおすすめの症状についても解説!

※当記事は点滴療法研究会及び属する医師が監修した記事ではありません

近年、「再生医療」という言葉をよく聞くようになりました。また、幹細胞治療・幹細胞コスメといった言葉も同様によく耳にします。

再生医療に使われることの多い幹細胞の培養液を配合したコスメにはさまざまな効果が期待できることから、既に愛用している方も多くいるようです。このような幹細胞の培養液を、幹細胞培養上清液と呼びます。

この記事では、幹細胞培養上清液に期待できる効果や注意点、どのような症状におすすめなのかについて、詳しく解説します。

幹細胞培養上清液とは

では、幹細胞培養上清液とはどのようなものなのでしょうか。まず初めに幹細胞・幹細胞培養液、そして幹細胞培養上清液について説明していきます。

参照元:日本再生医療臨床学会

そもそも幹細胞とは

人間の身体は、60兆個の細胞から作られているといわれています。絶えず新しい細胞と入れ替わりながら、生命を維持しているのです。私たちの身体の細胞のうち、他の異なる種類の細胞に分化する特殊な能力を持つ細胞が幹細胞です。幹細胞は、体内の異なる組織や器官の構築、修復、再生に関与する重要な細胞です。

この働きによって、損傷したり減少したりしてしまった組織を修復するために細胞を作り出し、身体の様々な回復を促すことができます。

幹細胞培養上清液とは

幹細胞培養上清液とは、先述した幹細胞を体内から取りだし、培養する液体の上澄み液です。培養液から幹細胞や不純物を取り除き、滅菌処理などの処理を施した上澄みの液体のことをいいます。

不純物などが取り除かれ、サイトカインや成長因子などの必要な成分のみが抽出されることで、純度の高いものができあがります。

幹細胞培養上清液に期待できる効果

幹細胞培養上清液には、どのような効果が期待できるのでしょうか。ここからは、幹細胞培養上清液によって得られるさまざまな効果について解説します。

参照元:日本再生医療臨床学会

しわやたるみなどの肌質改善・美容効果

幹細胞培養上清液には、加齢に伴ってあらわれる顔や体のしわやたるみなどの肌質改善に効果があります。

また、肌のターンオーバーを正常に回復する効果もあるため、肌のツヤや弾力などの美容効果を得られるだけでなく、ニキビ跡や傷跡などを目立たなくする効果にも期待できます。

薄毛やAGAの改善や発毛効果

薄毛や抜け毛、AGAなどの改善効果も期待できます。

これは、幹細胞培養上清液に含まれる成長因子の中に、弱った細胞を修復・活性化し、発毛や育毛の効果が期待できる成分があるためです。頭皮に直接注入する施術を受けることで、毛母細胞の活性化が可能です。

血管再生効果

幹細胞培養上清液には血管再生効果があり、血管の損傷箇所の修復や抗炎症作用によって、動脈硬化の改善効果が期待できます。

また、EDの改善にも期待が寄せられています。従来は、「バイアグラ」などの薬剤による治療法が主流でしたが、幹細胞培養上清液が陰茎海綿体の内皮細胞の再生を促進することによって、EDの症状が改善することが期待されています。

エクソソームによる細胞回復効果

幹細胞培養上清液には、エクソソームと呼ばれる物質も多く含まれています。エクソソームとは、細胞から分泌される極微細な顆粒状の物質です。

エクソソームは、体内を循環しながらあらゆる情報を伝達する役目を担っています。その働きによって、必要な物質や情報を伝達し、弱った細胞を回復させることが期待できます。

幹細胞培養上清液の種類

ここまで、幹細胞倍上清液の効果についてお伝えしました。この幹細胞培養上清液にはいくつかの種類があり、それぞれの種類によって得られる効果にも差があるといいます。

そこで、ここからは、幹細胞培養上清液の種類についてやその効果について詳しく見ていきます。

参照元:培養上清ガイド

脂肪由来の幹細胞培養上清液

まず初めに、脂肪由来の幹細胞培養上清液について解説します。

脂肪由来の幹細胞培養上清液は、脂肪吸入によって抽出したヒト由来の脂肪組織から摂取した幹細胞を培養したものです。

細胞や組織の再生を促進する効果が高いため皮膚や毛髪の治療に多く使用される他、肝臓に働きかけるサイトカインを多く含むため、肝臓などの内臓障害の治療にも活用されています。

臍帯由来の幹細胞培養上清液

臍帯とは、いわゆるへその緒のことです。妊娠期間中、胎児と母体をつないでいる臍帯から採取した幹細胞から生成されます。臍帯由来の幹細胞培養上清液は非常に希少なものです。

臍帯由来の幹細胞培養上清液にはサイトカインが非常に豊富に含まれていることから、細胞や組織の修復能力や免疫調整効果が高いと考えられています。

神経障害や、血液疾患などにおいても利用されています。

歯髄由来の幹細胞培養上清液

ヒトの歯の中心部分にある、歯髄細胞から採取した幹細胞によって生成されたものが、歯髄由来の幹細胞培養上清液です。

歯の成分であるエナメル質や象牙質はとても硬い組織であり、その中心部分にある歯髄細胞は良質な幹細胞を含んでいると考えられています。

脳梗塞の後遺症やALSなどの、神経系に作用する疾患に高い効果が得られるといわれています。また、歯科治療後の回復や組織修復への効果が期待されています。

骨髄由来の幹細胞培養上清液

ヒトの骨髄から採取した幹細胞から生成されたものが、骨髄由来の幹細胞培養上清液です。

主に血液疾患や脊髄損傷による神経障害の改善などに利用されることが多いです。しかし、骨髄からの採取には大変な痛みを伴うため、厚生労働省から使用にあたってのガイドラインが出されています。

参照元:厚生労働省

幹細胞培養上清液を投与する方法は?

幹細胞培養上清液を体内に投与する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、以下の3種類の投与方法について詳しく解説します。

  • 点滴による投与
  • 注射による投与
  • 点鼻による投与

点滴による投与

幹細胞培養上清液の点滴による投与は、生理食塩水に幹細胞培養上清液を溶かしたものを静脈内に投与する方法です。

血管を通って全身に行きわたらせることができるので、全身のエイジングケアや疾患対策に効果があります。

注射による投与

注射による幹細胞培養上清液の投与は、局所的な投与が可能です。

ケガや病気によって損傷した組織のある部位や、小じわやたるみが気になる部位など、患者の気になる部分にピンポイントで投与することができます。

点鼻による投与

点鼻による投与は、幹細胞培養上清液を鼻腔内から注入する方法です。

鼻腔から注入することで、有効成分を効率的に脳内の毛細血管まで送り届けることができます。老人性アルツハイマーや、脳梗塞の後遺症などの脳疾患があるケースでは、点鼻による投与が行われます。

幹細胞培養上清液の施術を受ける際の注意点

さまざまな効果が期待できる幹細胞培養上清液ですが、施術を受ける際には注意しなければならないポイントもいくつかあります。

施術を検討する際には、注意点によるデメリットも考えたうえで受けるようにしましょう。

施術後は献血ができなくなる

幹細胞培養上清液による施術を受けた方は献血ができなくなります。

安全性が確認されたヒト由来の幹細胞培養上清液を利用していますが、現時点の検査方法では検知することのできない未知のウィルス感染の可能性がゼロではありません。

そのため、幹細胞培養上清液による施術を受けたことのある方は、献血は不可となっています。

体調により副作用が起こることもある

施術を受ける際の体調によっては、施術後に副作用が起こることも考えられます。

気分が悪くなったり体調の変化を感じる場合には、施術中であっても医師にきちんと伝えるようにしましょう。

また、施術後に患部の痛みや赤み、腫れなどが起こることがあります。多くは1週間ほどで収まりますが、不安な場合は医師に相談すると良いでしょう。

中には施術が受けられない方もいる

さまざまな疾患の改善効果が期待できる幹細胞培養上清液による施術ですが、中には施術が受けられない方もいます。

  • 妊娠中、または妊娠の可能性がある方
  • がんの治療中、または治療後間もない方

上記の方は、幹細胞培養上清液による施術を受けることができません。ほかにも不安がある場合には、施術前に医師に相談すると良いでしょう。

まとめ

近年、最先端の再生医療に期待が高まる中で注目を集めているのが、幹細胞培養上清液やエクソソームといった物質です。医療分野や美容分野など、さまざまな分野での効果が期待されています。

こうした新しい治療方法や施術方法には不安や迷いも伴います。しかし、正しい知識や情報を得ることで、高い効果を得ることができます。

エイジングケアや薄毛・AGA、加齢に伴う体調の変化など、気になる症状に悩まされているという方は、この記事を参考にして心身ともに健康に過ごしましょう。

記事監修

点滴療法研究会マスターズクラブ(会長:国際統合医療教育センター所長・元杏林大学教授 柳澤厚生)は最新のエビデンスに基づいた点滴療法を提供する医師・歯科医師・獣医師を会員とするグループです。

欧米では科学的に根拠のある様々な点滴療法が代替統合医療・アンチエイジング医療の現場で広く行われています。高濃度ビタミンC点滴療法は米国国立衛生研究所(NIH)や国立癌研究所(NCI)が注目し、カンザス大学やジェファーソン大学では卵巣癌、子宮ガン、悪性リンパ腫の患者について臨床研究が進行しています。

キレーション療法はNIH代替医療部門でTACT Studyと呼ばれる狭心症・心筋梗塞に対する臨床研究を、グルタチオン療法は南フロリダ大学でパーキンソン病に対する臨床研究が行われています。キレーション療法は米国で年間100万件以上実施され、高濃度ビタミンC点滴療法は1万人以上の医師が癌治療に採用しています。

私たち点滴療法研究会マスターズクラブの会員は、最先端の点滴療法を提供できるように最新の医学情報を学び、常に患者様が安全に点滴療法が受けられるよう技術を磨いています。

※当サイトの情報は点滴療法研究会の全体で監修されており、会長医師一人の意見によるものではございません。

会長の医師プロフィール

経歴

杏林大学医学部卒、同大学院修了。
医学博士。米国ジェファーソン医科大学リサーチフェロー、 杏林大学医学部内科助教授、杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育センター所長。

詳しい経歴や医師の想いについては、医師のプロフィールのページをご覧ください。

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