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【誰でも分かる】エクソソーム医療とは?癌などの病気との関係性や美容効果・費用まで解説!

加齢による体や肌の悩み、なかなか改善しない痛みなどに有効な医療があったとしたら、受けてみたいと思いませんか。エクソソーム医療は、再生医療や美容医療として今、世界中から注目を集めている医療です。

様々な体の機能と深い関わりを持つエクソソームは、さまざまな医療に役立つとして、治療や予防での活用が研究されています。エクソソームを利用した医療にはどのようなものがあるのか気になるという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、エクソソーム医療について詳しく解説していきます。癌などの病気との関係性や、美容効果、治療方法や費用についてまで、誰にでも分かるように紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

エクソソームとは?体との関係性をわかりやすく解説

エクソソームとは、体の中のあらゆる細胞から作り出され放出されているカプセル状の物です。大きさは、直径50〜150nmで、特殊な顕微鏡でしか見れません。ここからは、具体的にどのような働きをしているのか、エクソソームと体の関係性を解説していきます。

エクソソームの性質

エクソソームはさまざまな情報物質を含んでおり、細胞と細胞の情報伝達をしている、メッセンジャーのような役割を持った物質です。存在場所は細胞内だけではなく、血液や尿、脳や脊髄にある脳脊髄液などに混ざり、体中を移動しています。

メッセンジャーの役割をしているのはエクソソームに含まれているタンパク質や遺伝情報の伝達をするRNAです。移動して行きついた細胞にシグナル伝達を送ったり、細胞内で機能して変化させたりしています。

エクソソームの性質で大きな特徴は、体中を巡回し、あらゆる細胞に情報伝達をしていることです。

参照元:東京都健康長寿医療センター研究所

エクソソーム医療とは?

エクソソーム医療とは、幹細胞を培養した際に生成されたエクソソームを皮膚や体内に補充することで、衰えた部分や機能を回復に導く医療です。

幹細胞とは、自己再生能力や分化能をもっている細胞で、加齢とともに減少していきます。病気が治りにくくなったり、臓器の健康維持が難しくなったりする原因の1つは幹細胞の減少によるものです。ケガや病気で傷ついた細胞は幹細胞の働きにより回復し、機能しています。

体の再生に大事な幹細胞を培養し、上澄み液を抽出したものが、幹細胞培養上清液です。幹細胞培養上清液には、数百種類もの成長因子やエクソソームが多く含まれており、そのままの形で医療や美容に活用されるケースも多くあります。
しかし、幹細胞培養上清には、健康に良い成分に加え、細胞の屑(くず)などの不純物も含まれています。また、幹細胞培養上清のなかでも、特に効果が高い成分としてエクソソームが注目されていることから、エクソソームを抽出した薬剤が活用されるようになりました。

エクソソーム医療は、エクソソームと幹細胞の性質を活かして、衰えた細胞を再生に導く画期的な医療です。

エクソソーム医療は何に効果的?代表的な症状を11例紹介

エクソソーム医療が画期的な再生医療ということが分かりましたが、どのような症状に効果があるのでしょうか。ここでは、効果が期待できると考えられている代表的な11の症状を紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。

アルツハイマー型認知症

現在アルツハイマー認知症を完全に治す治療方法はありませんが、エクソソームはアルツハイマーに効果があるとして注目されています。エクソソームが増えることで、認知症の原因となる、アミロイドβの減少に成功しました。実際にアルツハイマー型認知症の方に、エクソソームを含む幹細胞培養上清液を鼻から投与したところ、改善した例があります。

逆にエクソソームが減ると、アミロイドβが脳に蓄積され記憶や認知の障害を引き起こす原因となることが確認されており、関係性は深いと考えられています。

脳血管疾患

脳梗塞やパーキンソン病で損傷した脳細胞は、今までの治療では再生が不可能でしたが、エクソソームに細胞を再生を促す効果があることが報告され、治療に活用され始めています。ただし、慢性期の脳梗塞に対する効果は見られないとの報告もあるため、すべてのケースに適応するわけではありません。

脳血管疾患に対してエクソソームの効果が期待できると言われているのは、以下の3つです。

  • 破損した脳細胞の回復
  • パーキンソン病の改善
  • 脳梗塞による後遺症の改善

間質性肺炎

間質性肺炎とは肺胞の中に炎症がおこり、肺全体が固くなり息苦しくなったり、咳が出たりする病気です。現在の医学では完治することが難しいとされています。しかし、エクソソームによって改善が期待できる場合があります。

慢性疼痛

慢性疼痛は、何らかの組織障害による不快な感覚のことで、痛みを伴う症状が多いです。エクソソームを投与することで、神経への作用により痛みを抑え、疼痛の治癒効果が期待できます。

スポーツ障害

スポーツ障害とは、繰り返し同じ動きをすることで一定の部位に負荷がかかって起こる痛みや損傷のことです。エクソソームは、スポーツ障害による半月板やじん帯、軟骨などの損傷における自己組織の修復効果が期待されています。

関節痛

エクソソームは、加齢や、一定の負荷により起こる肘や膝の関節痛の治癒に使用されています。投与の方法は、点滴もしくは局所注射です。効果としては痛みの軽減、炎症の抑制、軟骨の再生などが報告されています。

アトピー

エクソソームは、アトピー性皮膚炎の改善効果があるとして使用されています。エクソソームの、細胞から分泌される抗炎症因子の働きにより、アトピー性皮膚炎の症状を改善する効果があると言われています。症状を抑えるだけでなく、美肌効果や肌を強くする効果も期待できます。

美容(シミ・シワ)

美容効果、シミやシワの改善にも期待されています。実際に脂肪由来幹細胞エクソソームを肌に塗布し、皮膚のメラニン量を測定したところ、高いメラニン減少(美白)効果がみられました。
メラニンはシミの原因になるため、シミの改善や予防効果が期待できます。

肌に注入することでコラーゲンやエラスチンが生成され、肌のハリや弾力、毛穴の開きの改善やシミの改善、色素沈着の改善などに期待できます。

また、肌再生としてシワの改善にも効果が報告されています。ターンオーバーを促進することで肌の再生効果もみられるため、美容面においても高い期待が持たれています。

アンチエイジング効果

エクソソームは肌の再生効果があり、老化を抑えるアンチエイジング効果に期待できます。全身に分布している体性幹細胞を活性化させ、体の再生を誘導する効果が期待できるでしょう。

AGA

エクソソームは薄毛や抜け毛にも効果があるとしてAGA治療に使用されています。毛髪再生をサポートするさまざまな成長因子を毛根に送り、頭皮環境を整えることが分かっており、実際に効果もみられています。男性にも女性にも効果があるとして注目されている医療です。

生活習慣病

エクソソームは生活習慣病の改善にも期待されています。生活習慣病において、心筋梗塞や脳内出血が起こるリスクが高まりますが、エクソソームには傷ついた血管や脳をはじめ、体中の組織の修復を助ける機能があるため、生活習慣病のリスクを抑える効果が期待されています。

参照元:大阪大学

受精

卵子の表面の膜にはエクソソームが分泌されています。実験によると「エクソソームが分泌されていない卵子に精子が入れなかった」という結果がでました。この結果からエクソソームは受精に欠かせない物質といえます。

エクソソームと癌の関わり

エクソソームは癌と深い関わりがあるという研究結果が報告されています。エクソソームが持つ最大の特徴である情報伝達の性質が影響するためです。体の中のあらゆる細胞から作り出されているエクソソームは、病気になると増加します。癌細胞からも放出されており、癌細胞の情報・物質が伝達されることで、癌の転移が引き起こされる可能性があります。

癌細胞から作られ放出された多くのエクソソームは、伝達を受け取る側の細胞に機能し、癌が生存しやすい環境を整えます。また、癌細胞に対する免疫の抑制、新生血管の誘導、細胞の性質を変化させるなど、癌の発生や進行に関わっている可能性が示唆されています。

このように、エクソソームの情報伝達の性質は、癌の進行や転移と深い関わりがあると言われています。
体内に癌細胞が存在している場合、エクソソームを投与することで癌の成長が促進されてしまう可能性があるため、癌を患っている人がエクソソーム医療を受けることは推奨されていません。

エクソソーム医療はこんな人におすすめ

エクソソーム医療には、様々な効果や病気との関係性があることが分かりました。エクソソーム医療は以下のような悩みを持つ人におすすめです。

  • 階段の上り下りがつらい人
  • 生活習慣病が気になる人
  • 薄毛が気になる人
  • シミやシワが増えた人
  • 肌を若々しく美しくしたい人
  • 風邪をひきやすい人
  • 更年期障害がつらい人
  • ウイルス感染を予防したい人

エクソソームは、全身のエイジングケア効果が期待できます。全身にある細胞を活性化し、体の再生や血管の再生する働きがあるためです。生活習慣病や内臓疾患などの改善や、体の疲労回復なども期待できます。

肌においては、コラーゲンの生成やターンオーバーを助けることで、たるみ・シミ・シワ対策にも効果的と考えられており、美容の目的においてもおすすめです。また、毛髪再生を助ける効果が期待できるため、抜け毛や薄毛が気になる方にもおすすめします。

ウイルス感染対策としては、血管新生や炎症抑制、細部修復の効果があるため積極的に取り入れるのがおすすめです。

エクソソーム医療を受けたい!治療方法を4つ紹介

エクソソーム医療はさまざまな悩みに効果がある画期的な医療ということが分かりましたが、具体的にはどのような方法で治療をしていくのかも知りたいところです。

ここからは、治療方法を詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

点滴療法

点滴療法は、再生医療分野、美容医療分野、そして全身の健康において注目されている治療法です。エクソソーム成長因子やビタミン、ミネラル、アミノ酸を豊富に含む幹細胞培養上清液を点滴で直接血管に注入することで使用し、、有効成分を全身に届けます。他の方法と違い、肌表面ではなく体の内部にエクソソームを注入するため、全身の若返り効果を期待することができます。中でも成長因子には細胞を活性化させ、細胞の成長や修復に有効です。

1度でも効果は期待できますが、継続的に点滴を受けることをおすすめします。初めは、2週間に1度の間隔で受けて、少しづつ間隔を空けていくのがおすすめです。最終的には月に1回の治療になります。

エクソソーム点滴についてさらに詳しく知りたいという方はエクソソーム点滴の記事をご覧ください。

注射

気になる部分に直接注射をうつ方法です。ピンポイントで治療をしたい方におすすめです。表皮と真皮の間に注入するパピュール法は、皮膚の深い部分に刺すため高い効果がみられます。一方、ナパージュ法は細い針で皮膚の浅い部分に打ちます。

どちらも医師の手により施される方法で、肌の状態に合わせてエクソソーム幹細胞培養上清液を入れる量や、打ち込む深さを調整できます。点滴と同様に初めは2週間に1度治療をし、最終的には月に1度の治療がおすすめです。

ダーマペン4

ダーマペン4は、専用の機器で肌の表面に髪の毛より小さい穴をあけて肌の自然治癒力を向上させる方法です。ペンのようなタイプの機器を振動させて、肌の上を滑らせるようにしてエクソソームを注入します。

細胞を活性化させ肌のターンオーバーを促すため、顔全体の美肌治療や若返りをしたい方におすすめです。

エクソソームのダーマペン治療についてさらに詳しく知りたいという方はエクソソーム×ダーマペンの記事をご覧ください。

エクソソーム医療に関するよくある質問

エクソソーム医療に関して解説してきましたが、初めて聞く内容だったという方や、やってみたい方には不安も多いのではないでしょうか。ここではよくある質問を3つまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

エクソソーム医療の費用は?保険適応になる?

エクソソームの費用は、実施している病院によって異なります。現段階では、保険適応外のため治療費は高額で、5000円数万〜数10十万円かかります。形性膝関節症などの疾患の治療には保険が適用されることもあるので、確認が必要です。

脳梗塞や、パーキンソン病、美容目的の治療は、保険適応外です。

エクソソーム医療のデメリットは?

エクソソーム医療は、安全性が高いのが特徴ですが、副作用やデメリットもあります。以下を参考にしてください。

  • 癌と診断された方や治療中の方は受けられない
  • 治療後、献血ができない
  • アレルギー反応を起こす場合がある
  • 点滴や注射は痛みを伴う
  • 費用が高い

癌と診断された方は、完治から5年以上経過していないと治療できません。癌細胞を増やす恐れがあるためです。エクソソームはヒト由来の成分を注入しているため、エクソソーム点滴などを受けた場合は献血はできません。

エクソソームによるアレルギー反応は、注入箇所の痛みやかゆみ、肌の変色などがあります。経過観察で1〜2週間で治まることがほとんどです。

点滴や注射には痛みが伴い、内出血を起こす可能性があります。痛みに弱い方は、事前に医師と相談しましょう。

デメリットの最後は費用が高くなりがちということです。保険適応外なうえに、効果を高めるためには複数回施術を受ける必要があるため、ある程度の費用を想定する必要があります。

エクソソーム医療は病院やクリニックで受けられる?

エクソソーム医療はすべての病院やクリニックで受けられるわけではありません。自分の求める治療において、エクソソームを取り入れている医院を探す必要があります。

まとめ

エクソソームとは何か、エクソソーム医療について分かりやすく解説しました。癌などの病気と深い関わりがありつつも、私たちの健康に必要なものであることがわかったのではないでしょうか。

さまざまな症状に効果が期待され、研究や開発が続けられています。エクソソーム医療は私たちの悩みを解決できる安全性の高い画期的な治療法といえるでしょう。再生医療、美容医療のエクソソーム医療を受けたいという方は、まずは病院で医師の診断を仰ぐことから始めてください。

記事監修

点滴療法研究会マスターズクラブ(会長:国際統合医療教育センター所長・元杏林大学教授 柳澤厚生)は最新のエビデンスに基づいた点滴療法を提供する医師・歯科医師・獣医師を会員とするグループです。

欧米では科学的に根拠のある様々な点滴療法が代替統合医療・アンチエイジング医療の現場で広く行われています。高濃度ビタミンC点滴療法は米国国立衛生研究所(NIH)や国立癌研究所(NCI)が注目し、カンザス大学やジェファーソン大学では卵巣癌、子宮ガン、悪性リンパ腫の患者について臨床研究が進行しています。

キレーション療法はNIH代替医療部門でTACT Studyと呼ばれる狭心症・心筋梗塞に対する臨床研究を、グルタチオン療法は南フロリダ大学でパーキンソン病に対する臨床研究が行われています。キレーション療法は米国で年間100万件以上実施され、高濃度ビタミンC点滴療法は1万人以上の医師が癌治療に採用しています。

私たち点滴療法研究会マスターズクラブの会員は、最先端の点滴療法を提供できるように最新の医学情報を学び、常に患者様が安全に点滴療法が受けられるよう技術を磨いています。

※当サイトの情報は点滴療法研究会の全体で監修されており、会長医師一人の意見によるものではございません。

会長の医師プロフィール

経歴

杏林大学医学部卒、同大学院修了。
医学博士。米国ジェファーソン医科大学リサーチフェロー、 杏林大学医学部内科助教授、杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育センター所長。

詳しい経歴や医師の想いについては、医師のプロフィールのページをご覧ください。

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