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エクソソームで若返りができるって本当?理由や摂取方法・注意点などを徹底解説!

誰でも若さはいつまでも保ちたいものです。ただし、どうしても老化には勝てないもので、若さを保つにはさまざまなケアが必要です。

若さを保つ方法の1つは化粧品などを用いてケアすることで、最近エクソソームが注目を集めています。エクソソームをうまく取り入れることで、若返りが期待できると言われていますが、本当に若返ることができるのでしょうか。

この記事では、エクソソームで若返りが期待できる理由や、使用方法などを紹介します。エクソソームを使って若返りをしたいと考えている方はぜひこの記事を参考にしてみてください。

エクソソームとは?

エクソソームとは、生体内に存在する細胞や培養している細胞が産生したり放出したりしている細胞外小胞の一種です。細胞外小胞とは、細胞同士の情報伝達や細胞同士の相互作用を媒介しているもので、主に以下のプロセスに密接に関与しています。

  • ホルモンやシグナル物質の伝達
  • 免疫応答
  • 細胞内の不要な物質の排出
  • 血液凝固

エクソソームは、直径100nm程度のサイズで、全体が脂質二重膜で覆われています。その内部には、以下のものが含まれています。

  • mRNAやmiRNAなどの核酸
  • 骨格蛋白質
  • 各種酵素

さらに、細胞外小胞の膜表面には以下が発現されます。

  • テトラスパニン
  • MHCクラスI
  • MHCクラスII

エクソソームは細胞から分泌されて体内を循環して、細胞間の情報伝達をする役割を担っています。また、エクソソームには、MSC(間葉系幹細胞)と呼ばれる、骨や筋肉などのような内臓組織や神経系の組織、体内の各部位を修復したり再生させたりする能力があるといわれています。

参照元:東京都健康長寿医療センター研究所

エクソソームで若返る理由

エクソソームは、有効活用すれば若返り効果が期待できると言われていますが、それは主に以下のような理由があるためです。

  • 内側から肌を若返らせることができる
  • ターンオーバーを正常化させることができる
  • 肌にうるおいやハリを与える
  • 脳のパフォーマンスを向上できる
  • 強い抗炎症作用がある
  • ニキビ跡の改善の助けになる

各理由について、詳しく解説します。

内側から肌を若返らせることができる

エクソソームは、肌のコンディションを整えるために必要となる以下の成分を誘導する作用があります。

  • コラーゲン
  • エラスチン
  • ヒアルロン酸

これらの成分は化粧品などから皮膚に直接塗布してケアするのが一般的です。しかし、皮膚から吸収されてアンチエイジング効果を出すためには、分子の大きさなどの多くの条件が存在し、一般的な化粧品などでは効果が限定的な場合もあります。

一方で、エクソソームの場合は、体の内面からアプローチすることが可能であるため、体内から全身におけるアンチエイジング効果が期待できます。

肌の真皮層には、コラーゲンなどの成分を生成する線維芽細胞が存在します。体内にエクソソームが取り込まれることでこの線維芽細胞が活性化され、肌のハリや弾力に有益な成分の生成が増え、たるみや小じわなどの改善が期待できるのです。

ターンオーバーを正常化させることができる

人間の肌は、以下3つが重なって形成されています。

  • 表皮
  • 真皮
  • 皮下組織

上記のなかで、肌として最も外側に存在して目に見える箇所である表皮では、ターンオーバーが常に行われています。表皮をより細かく分類すると、肌の外側から以下4つの部位に分けられます。

  • 角層
  • 顆粒層
  • 有棘層
  • 基底層

表皮のなかで最も内側に存在する基底層で生成された細胞は、常に分裂して新しい細胞を作り出しています。基底層で生成された細胞は、徐々に形態を変更しながら肌の外側の層に向けて押し出されます。

そして、その細胞は、角層まで到達した時点で垢となり剥がれ落ちていくのです。ここまでの流れが1サイクルとなっています。この循環はターンオーバーと呼ばれています。

ターンオーバーは、常に肌のコンディションを保つために必要です。一般的に、顔の皮膚のターンオーバーには4週間程度かかります。ただし、老化などによって徐々にターンオーバーの期間が長くなると、様々な肌トラブルの原因になります。

そこでエクソソームをうまく取り入れることで、ターンオーバーを正常化して、肌バリア機能を整えることができるのです。

肌にうるおいやハリを与える

エクソソームには、細胞の保水力を高めることで、肌にうるおいやハリを与える効果が期待できます。エクソソームによって線維芽細胞が活性化され、コラーゲンやエラスチンの生成を促すことで、肌の保水力を向上できるのです。

点滴や注射などの方法で体内にエクソソームを摂り込む方法が効果的ですが、化粧品などを肌に塗布する方法も用いられています。

脳のパフォーマンスを向上できる

エクソソームは、肌だけでなく身体のあらゆる部位に作用することで知られています。特に、以下の効果をもたらすと言われています。

血管やリンパ管の新生

免疫の調整

細胞の修復促進

抗炎症作用

エクソソームは血液を介して、全身に運ばれます。その後、傷ついた細胞にエクソソームが届けられ、傷ついた細胞に修正方法を伝達して、自力回復を促します。その効果のひとつとして、老化やストレスなどによってダメージを受けた脳の回復や老化防止が期待できるのです。

脳にはミエリン(髄鞘)と呼ばれる物質があり、脳から体の様々な部分に送られる神経の電気信号の伝達を早めてくれる役割があります。ミエリンが失われると、思考の障害や感覚障害など、様々な脳の機能低下が引き起こされると考えられています。

エクソソームには、脳細胞のミエリンを修復する作用が報告されています。点滴などでエクソソームを補充し、ミエリンの修復により脳の働きを正常化させ神経伝達を早めることで、高いパフォーマンスを発揮・維持できるでしょう。

強い抗炎症作用がある

老化や生活環境による様々なストレスなどによって、肌の毛細血管が減少し、皮膚に対して十分な栄養や酸素が届けられなくなることがあります。十分な酸素や栄養が届けられないと、様々な肌トラブルや肌老化の原因になってしまいます。

エクソソームは、血管の再生や新生効果があるため、毛細血管を維持して肌の正常化をもたらします。また、強い抗酸化や抗炎症作用をもたらし、アトピーやアレルギーの炎症抑制効果も期待できます。

参照元:神戸大学

ニキビ跡の改善の助けになる

思春期はニキビに悩んでいるという方も少なくありません。また、大人になってもストレスやホルモンの影響によるニキビを繰り返したり、青春期に発生したニキビの跡に悩まされている方も多いのではないでしょうか。

エクソソームは、ニキビ跡を改善する効果も期待できます。これは、毛細血管を再生したり新生したりすることで、新陳代謝によって傷ついた肌組織のニキビ跡の修復を促すためです。

できてから既に長期間経過したニキビ跡の場合は、レーザーなど治療とエクソソーム点滴を組み合わせるか、もしくは直接ニキビ跡の皮下に注入できるダーマペンなどの手法が有効だと考えられます。

エクソソームと各治療について詳しく知りたいと言う方は、エクソソーム点滴エクソソーム×ダーマペン治療の記事もあわせてご覧ください。

エクソソームの若返り以外の効果

エクソソームは、上記の若返り効果以外にも、様々な効果を期待できると言われています。

  • 毛髪の再生や薄毛の改善
  • 生活習慣病の改善
  • ウイルス感染予防
  • 認知症予防
  • 膝などの関節の疾患の治療
  • ED改善 など

エクソソームには血管の修復などの働きをすることから、毛細血管の新生も期待できます。これにより、毛髪の再生や薄毛の改善にも活用されています。

また、心筋梗塞や脳梗塞など血管にも大きく関連する病気や生活習慣病に対して、リスク低減を図ることも可能です。さらに、細胞の修復力向上や炎症の抑制によってウイルス感染予防にも寄与すると言われています。

以上のように、エクソソームは単に美容に関することだけでなく、人間の健康を維持する上で重要なものなのです。

エクソソームの効果についてさらに詳しく知りたい方は、エクソソームの効果の記事もあわせてご覧ください。

エクソソームはどうやって摂取する?

エクソソームの作用は理解できたところで、具体的にどのように摂取すれば良いのでしょうか。エクソソームの摂取方法として、以下があります。

  • 食品
  • サプリメント
  • 医療機関での治療

各摂取方法の詳細は、以下のとおりです。

食品から摂取する

エクソソームにはヒト・動物由来のエクソソームと食品由来のエクソソームがあります。ここまでの解説のように、医学的な効果が期待できるのは、ヒト・動物由来のエクソソームです。

ヒト以外の動物や、人間が一般的に口にする野菜・果物などの食品にも、エクソソームは含まれています。

  • ブドウ
  • ミカン
  • リンゴ
  • バナナ
  • アサイー
  • ゴジベリー
  • スピルリナ

上記はあくまでも一例で、ほぼすべての食材にエクソソームが含まれています。食品由来のエクソソームにもアンチエイジング等の効果があると考えられますが、実際に食品として私たちが摂取した場合の効果に関しては、まだよく分かっていないというのが現状です。

また、食品として摂取される量は限定的で、更に胃腸での消化吸収プロセスによって分解されてしまうため、効果は限定的であると考えられます。

サプリメントから摂取する

各種食品からもエクソソームを摂取できますが、摂取量としては決して多くありません。そこでより効率的に摂取する方法として、エクソソームを配合したサプリメントを利用する方法があります。

エクソソーム単体で摂取できるものから、美容や健康に関連する成分とセットになったものもあります。また、エクソソームを直接取り入れるのではなく、体内でエクソソームの生成を促すことを目的としたサプリメントも存在します。

エクソソームの生成を促すサプリメントには、主に以下のような成分が配合されています。

  • ウロリチン
  • GABA
  • イミダゾールジペプチド
  • カルノシン

エクソソームに関連したサプリメントは、製品によって内容成分が大きくことなり、効果の有無は一概には言えません。また、サプリメントをはじめとした経口摂取によって、どのような効果がどれほど期待できるのか、まだ分からない部分が多いのが現状。

これから更なる研究で明らかになっていくことが期待されます。

医療機関での治療で摂取する

エクソソームは、医療機関における美容やアンチエイジング医療として摂取・投与することも可能です。医療機関では、以下の方法が用いられています。

  • 注射での投与
  • エレクトロポレーション
  • 点滴での投与

ここからは各摂取方法について見ていきましょう。

注射器(ダーマペン)での投与

まず紹介するのは、幹細胞培養上清液が入った注射器で肌に直接注射して治療する方法です。これにより、肌に必要なエクソソームをより効果的に届けることができます。

この注射器での治療により、美肌や肌再生効果を期待できるでしょう。エクソソームを注射により施術する場合、専用の機器を用いて自動で皮下に注入する方法と、ナパージュ法と呼ばれる注射器で手打ちする方法があります。

エレクトロポレーション

エレクトロポレーションとは、電気の力を活用してエクソソームを肌の奥に浸透させる施術方法です。特殊な電気パルスを発生させて一時的に皮膚に小さな穴を発生させて、穴にエクソソームを注入して浸透させます。

エレクトロポレーションにより、表皮から浸透しない親水成分などを肌の奥にまで浸透させることが可能です。また、導入液に配合されている有効成分については電解しない性質があり、肌への刺激が少なく副作用もほぼないというメリットもあります。

点滴での投与

エクソソームが配合された点滴を血管内に直接投与して、血液を介して全身に行き渡らせる方法です。エクソソームの点滴により、顔の皮膚や頭皮などの表面部分だけでなく、体中の血管や脳をはじめ様々な臓器にエクソソームを補充できます。

全身の老化防止、炎症の抑制、抗酸化、回復の促進、痛みの抑制、免疫機能の正常化、そして美容医療のサポートとして活用されています。エクソソーム点滴は、もちろん一度でも効果を感じるケースもありますが、定期的に行うことで全身の健康や美容・アンチエイジングに広い効果が期待できる治療法です。

エクソソーム施術で若返りを図る際の注意点

エクソソーム施術によって若返りを図りたい場合、以下のような点に注意が必要です。

  • 定期的な摂取や治療が必要
  • 稀にアレルギー反応を示す場合がある
  • 保険が適用されないため高い費用がかかる

各注意点について、詳しく解説します。

定期的な摂取や治療が必要

エクソソーム治療は、一度施術を受ければそれで終わりではありません。一度の施術の効果は永遠に続かないため、定期的に施術を受けないと効果が継続しません。

施術の種類によって異なりますが、一度の施術にかかる時間は一般的に30分程度です。点滴・注射や医療機器を使った施術は、クリニックなどに通って、一定のスパンで施術を受ける必要があります。

自分に合った継続しやすい施術や、通いやすいクリニックを探してみましょう。

稀にアレルギー反応を示す場合がある

エクソソーム注射や点滴の施術を受ける際に、以下のような症状のある方は施術を受けられません。

  • アナフィラキシーの既往がある場合
  • 多発性アレルギーや重度のアレルギーを持っている方

エクソソーム自体は、体内に存在する物質であるため基本的に副作用が発症する可能性は低いです。ただし、体質によってはアレルギー反応を示すケースもあるので注意が必要です。

アレルギー症状により嘔吐や血圧の低下を生じる場合があるため、心配な場合は事前に医師と相談しましょう。

保険が適用されないため高い費用がかかる

エクソソーム治療は基本的に自由診療に該当するため、保険が適用されません。そのため、高い治療費がかかってしまうというデメリットがあります。

施術方法や治療を受けるクリニックによりますが、1回の施術で10〜20万円程度かかるケースが大半です。また、2週間〜1ヶ月のスパンで継続して治療を受ける場合、総治療費が100万円を超える場合もあります。

トータル費用も意識して治療を受けるかどうかを検討してください。

若返りは継続が重要

エクソソーム治療に限らず、若返りを実現するためには継続できるかが鍵となります。特に、以下のような点を意識して若返りを図りましょう。

継続して食べ物に気を遣うことが重要

若返りを図りたい場合、アンチエイジングに良い食事を心がけ、悪いものを避けることで、不必要な老化を防ぐ食生活を意識することも大切です。

アンチエイジングを実現するためには、抗酸化作用がある栄養素をいかにバランスよく接種できるかがポイントです。抗酸化作用の高い栄養素として、代表的なのは以下です。

  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • ポリフェノール
  • カロテノイド
  • グルタチオン など

これらの成分は、活性酸素による身体の酸化を防止して、様々な病気の予防や、老化の抑制に役立ちます。
一方で、糖分を過剰に摂取したり、酸化した油や添加物の多い食事を摂ることで、AGEsなど体内の老化物質が増えてしまいます。それではいくら抗酸化作用の高い栄養を摂っていても本末転倒です。甘いものや加工食品、ファーストフードなどの食事は最小限に控えることが、老化を防ぐ第一歩です。

薬のような効果はない

エクソソームには、薬のように劇的な効果は実感できません。もちろんすぐに何かしらの効果を感じるケースも多々ありますが、継続してしばらくしてから効果を感じたり、老化スピードの減少を実感する人も多いでしょう。

気長に継続して摂取・投与することが重要です。

細胞のケアをして老化予防

人間の身体には、約37兆個もの細胞があり、それぞれの細胞が活動しています。細胞をケアすることによって、美容面だけでなく健康的な身体をキープできます。

エクソソームを体に注入することで、細胞の働きが活性化されます。細胞をケアすることで細胞から若返り、老化を予防できるでしょう。

見た目が若返ると寿命も伸びる?

若さを測る指標として、テロメアがあります。テロメアとはDNAが格納されている染色体の末端に付属する部位のことです。

人間の細胞は常に分裂して、新しい細胞に入れ代わり続けていますが、テロメアがなくなると細胞分裂しなくなってしまいます。完全にテロメアがなくなってしまうと、細胞が分裂しなくなり、やがて老化により死滅してしまいます。

テロメアと見た目年齢には密接な関係があると言われています。見た目が若いとテロメアが長い傾向にあり、長生きできる可能性が高まるとも言われています。

まとめ

エクソソームは、若返りという観点で非常に注目されている成分であり、多くの治療法も確立されています。特に、注射や点滴など、本格的な治療によって効果的にエクソソームの補給が可能です。また、日々の食事などでバランスが良い栄養を摂取して、エクソソームを取り入れる方法も有効です。

ただし、エクソソームによる若返りは、一度対策すればそれで終わりではありません。継続して対策できるかが重要となるため、今回紹介したポイントを意識してエクソソームを積極的に取り入れましょう。

記事監修

点滴療法研究会マスターズクラブ(会長:国際統合医療教育センター所長・元杏林大学教授 柳澤厚生)は最新のエビデンスに基づいた点滴療法を提供する医師・歯科医師・獣医師を会員とするグループです。

欧米では科学的に根拠のある様々な点滴療法が代替統合医療・アンチエイジング医療の現場で広く行われています。高濃度ビタミンC点滴療法は米国国立衛生研究所(NIH)や国立癌研究所(NCI)が注目し、カンザス大学やジェファーソン大学では卵巣癌、子宮ガン、悪性リンパ腫の患者について臨床研究が進行しています。

キレーション療法はNIH代替医療部門でTACT Studyと呼ばれる狭心症・心筋梗塞に対する臨床研究を、グルタチオン療法は南フロリダ大学でパーキンソン病に対する臨床研究が行われています。キレーション療法は米国で年間100万件以上実施され、高濃度ビタミンC点滴療法は1万人以上の医師が癌治療に採用しています。

私たち点滴療法研究会マスターズクラブの会員は、最先端の点滴療法を提供できるように最新の医学情報を学び、常に患者様が安全に点滴療法が受けられるよう技術を磨いています。

※当サイトの情報は点滴療法研究会の全体で監修されており、会長医師一人の意見によるものではございません。

会長の医師プロフィール

経歴

杏林大学医学部卒、同大学院修了。
医学博士。米国ジェファーソン医科大学リサーチフェロー、 杏林大学医学部内科助教授、杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育センター所長。

詳しい経歴や医師の想いについては、医師のプロフィールのページをご覧ください。

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